【共働き2人暮らし】管理栄養士が考える|頑張らない献立作成の手順【献立例あり】

料理したくない
  •   仕事や家事に追われて時間がない中で、献立を考えることが大変
  •   夕食作りは毎日のことだから、もっと楽に簡単に考えたい
  •   バランスの良い献立になっているか不安に感じる

こんな悩みを抱えている、共働き夫婦のための記事です。

自分1人分の夕食であれば、適当にすましても誰にも文句は言われない。だけど、パートナーの食事となれば適当に作るわけにはいかない。仕事で疲れた体にムチ打って頑張って献立を考えて…という状態が続くはずはなく、いつの日か体も心も疲弊してしまいます。

管理栄養士として働く私も献立に悩まされて疲弊していましたが、共働き生活を送ること5年、試行錯誤する中でたどり着いた献立作成の手順をこれから紹介してきます。

  1. 家に残っている食材を確認する
  2. スーパーでは食材を3つのグループに分けて順番にカゴに入れていく
  3. 購入した食材を主食、主菜、副菜、汁物の4つの型に分類する

頑張らない献立作成とは「食材」をもとに「料理」を決めて組み合わせるということです。

上記の手順を詳しく紹介する前に、献立作成時に気をつけていることを紹介します。

献立を立てる時のポイント2つ

  • いろいろな食材を取り入れる
  • 食費は節約しない

バランスの良い献立となるよう、2点気をつけます。

いろいろな食材を取り入れる

健康的な食事=バランスの良い食事=いろいろな栄養素を体に摂り入れる=いろいろな食品を食べる

私たちは食品を食べることによって、栄養素を体に摂り入れて生きています。炭水化物、たんぱく質、脂質、無機質、ビタミンの5つを五大栄養素と言われていますが、どれか1つでも不足すると体に不調をきたします。

食材によって含まれる栄養素は違うため、五大栄養素を過不足なく摂るためにもいろいろな食材を献立に取り入れたほうが良いということです。

2024年10月24日、WHO(世界保健機関)とFAO(国際連合食糧農業機関)が「健康的な食事とは何か」に関する共同声明を公表しました。

“健康的な食事は、健康、成長、及び発達を促進し、活動的なライフスタイルを支援し、栄養素の欠乏や過剰、感染性及び非感染性疾患、食品媒介疾患を予防し、幸福(wellbeing)を促進する。

引用:食品安全委員会

共同声明の内容を確認すると、健康的な食事の原則の1つとして「いろいろな食材を取り入れる」ことに関して掲げられています。

そのために出来ることの1つとして、買い物に行くスーパーは1ヶ所だけと固定せず、いろいろなスーパーに行くようにしています。違うスーパーで買い物をすることにより、同じ食品でも産地や品種がことなる場合があり、より多様な食材を食事に取り入れることができます。

食費は節約しない

自分の体は替えの効かない大切なものです。

健康であることは、旅行したり美味しいものを食べたりなど幸せな時間を過ごす土台となります。

安いという理由だけで食材を選び、大量に買って使い回すというような節約は摂取できる栄養素に偏りがでると考えます。

「食費は1ヶ月2万円以内に収める」というように金銭面だけを考えて献立を決めるのは、健康という資産を失ってしまう恐れがあります。

試しに1ヶ月だけ食費の上限を決めずに、体にとって思いやりのある買い物をしてみてください。1ヶ月後、食費にいくら使ったか確認して継続可能な金額なのか見極め、次の1ヶ月はその金額の範囲内で買い物をするのがおすすめです。

以上、2つのポイントを頭の片隅に入れてもらい、献立作成の手順に進みます。

頑張らない献立作成の手順

  1. 家に残っている食材を確認する
  2. スーパーでは食材を3つのグループに分けて順番にカゴに入れていく
  3. 購入した食材を主食、主菜、副菜、汁物の4つの型に分類する 

3ステップで無理なく献立を立てることができます。

家に残っている食材を確認する

最初に、家にある食材は「何が」「どのくらい」残っているのかを確認します。この時に、冷蔵庫の中など食材を置いている場所の写真を撮っておくと便利です。

そうすることで、買い物する時に同じ食材を買うことを防ぐことができます。また、買い物前の確認作業が習慣化してくると、1週間で使いきれる量が感覚的にわかるようになって、買いすぎを防ぐことにもつながります。

食材の種類ごとに保管場所を決めておくと、どんな食材がどのくらい残っているかということがひと目見てわかるため、買う必要がある食材を判断しやすいです。

食材の保管場所として、特に汚くなりやすい場所である冷蔵庫の収納方法について下記の記事で紹介しています。

スーパーに行き、食材を3つのグループに分けて順番にカゴに入れていく

3つのグループとは三色食品群のことです。

三色食品群は、栄養素の働きから、食品を3つのグループに分けている。

引用:農林水産省

赤色:体をつくるもとになる→肉、魚、卵、牛乳•乳製品、大豆•大豆製品、海藻など

黄色:エネルギーのもとになる→米、パン、めん類、いも類、油、砂糖など

緑色:体の調子を整える→野菜、きのこ類、果物など

栄養素の働きで食品をグループに分けて、偏りなくいろいろな食材を購入していきます。買い物時に食材をバランス良く選びとることができれば、献立作成時は食材を料理に変換するだけで自然とバランスの良い食事が出来上がるでしょう。

買い物ルールについては、下記の記事で詳しく紹介しています。

購入した食材を主食、主菜、副菜、汁物の4つの型に分類する

主食:ご飯、パン、麺類など←エネルギーのもとになる

主菜:肉、魚、卵、大豆製品などを使った料理←体をつくるもとになる

副菜:野菜、きのこ類果物など←体の調子を整える

汁物:グループ関係なくいろいろな食材を使える

主食・主菜・副菜を基本とすることで、多様な食品から、必要な栄養素をバランスよくとることができます。

引用:厚生労働省

決まった型があると食材を振り分けるだけでバランスのよい献立を立てることができます。

「食材」から「料理」を考える時は上記、2つの方法で考えています。

  • 「この食材ならこの料理」と定番料理を決めておく
  • 「〇〇○(食材) レシピ」とネット検索する

例えば、「なす」なら「揚げ浸し」、「鮭」なら「ホイル焼き」というように、いくつか我が家の定番料理として決めておくと何を作ろうかと悩む時間を減らすことができます。

定番料理に飽きた場合や時間に余裕がある時は、ネットでレシピを検索して料理のバリエーションを増やします。レシピ検索し、実際に作ってみた料理が美味しければ定番料理として食卓に再登場させるため、使用した食材調味料をメモしておいてもよいでしょう。

以上が頑張らない献立作成の手順です。

この方法は「買い物する」→「献立を考える」という順番です。

献立を考えてから買い物リストを作った方が余計な食材を買うことなく、買い物もスムーズにできるという利点があるように思えます。しかし、「料理」を食べるのではなく「栄養素」を体に摂り入れるという意識で献立を立てるようにしているため、買い物をしてから購入した食材をベースに料理を考え、組み合わせて献立として食卓に出しています。

という私も、「豚の生姜焼きが食べたい!」など食べたい料理がある時もあります。そういった時は、買い物リストとして豚肉、玉ねぎ、しょうが…とメモをして買い物に行きます。

自分が食べたいと思った料理を献立に取り入れるのも健康的な食事だと考えています。状況に応じて献立作成と買い物の順番は変えてみてくださいね。

リアルな1週間の献立作成実践編

手順に沿って、1週間の献立を決める様子を紹介します。

我が家は買い物に行く頻度を1週間に2回(火曜日•土曜日)としているため、火曜日スタートで紹介していきます。

買い物前に食材の在庫を確認①

赤色のグループ:卵、納豆、ソフト豆腐、牛乳、ヨーグルト、乾燥わかめ、のり

→魚、肉は買う必要がある

緑色のグループ:にんじん、玉ねぎ、なす、きゅうり、たくあん、キムチ、梅干し、生しいたけ、しめじ

→野菜は緑黄色野菜を多めに買う、果物を買う

緑黄色野菜とは可食部100gあたりカロテン(βカロテン当量)が600μg以上含まれる野菜、βカロテン含有量は基準以下だがトマトやピーマンなど一度に食べる量や頻度が高くカロテンの補給源として優れている野菜も緑黄色野菜に分類されるものがある。

黄色のグループ:米

→いも類を買う

食材の種類ごとに置き場所を分けておくと視覚的にどんな食材が必要か分かりやすくなります。

3つのグループ別に食材を買う①

実際に購入した食材は下記のとおりです。

赤色のグループ:ほっけ、しらす、はんぺん、刺身、鶏むね肉、豚バラ肉、豚ひき肉、コロッケ(惣菜)、納豆、蒸し大豆、チーズ

緑色のグループ:にんじん、スナップえんどう、ミニトマト、大根菜、ニラ、小松菜、えのき、いよかん、バナナ

黄色のグループ:さつま芋、長芋

購入した食材を主食、主菜、副菜、汁物の4つの型に分類①

【火曜日の献立】

主食:ご飯

主菜:刺身/コロッケ

副菜:納豆、ナスみそ、長芋ときゅうりの梅和え

汁物:小松菜とじゃが芋のみそ汁

デザート:バナナヨーグルト

買い物をする日は調理の手間を最小限にしたいということで、主菜は作らなくてもよいと決めています。夫には刺身を、私は面倒くさくて普段作らないような揚げ物などの惣菜を主菜として買っています。

【水曜日の献立】

主食:ご飯

主菜:ほっけの干物

副菜:はんぺん煮物、納豆、大豆としらす甘辛炒め、スナップえんどう塩焼き

汁物:豆腐のすまし汁

デザート:いよかん

ほっけの干物のようにグリルで焼くだけという簡単料理が可能な食材を主菜に選んだ時は、副菜を2〜3品作ることが多いです。

【木曜日の献立】

主食:ご飯

主菜:チキンステーキ

副菜:ミニトマトとチーズのカプレーゼ風、納豆、長芋ときゅうりの梅和え、スナップえんどう塩焼き

汁物:卵スープ

ミニトマトとチーズのカプレーゼ風は耐熱皿にミニトマトとモッツァレラチーズを入れ、オリーブオイル、黒こしょうをかけて電子レンジで加熱するだけで完成。簡単料理をいくつか定番料理として決めておくといいですね。

【金曜日】の献立

主食:ご飯

主菜:豚プルコギ

副菜:納豆/大豆としらす甘辛炒め、小松菜わさび和え、たくあん、キムチ

汁物:さつま芋のみそ汁

デザート:バナナヨーグルト

豚プルコギは肉に下味をつけておき、切った野菜と一緒に炒めるだけと簡単ですが、失敗なくおいしく出来上がるので定番料理として食卓に登場する回数が多い1品です。

家に残っている食材を確認②

赤色のグループ:卵、乾燥わかめ、のり

→魚、肉、大豆製品は買う必要がある。卵はまだあるけど4つと少ないので買う。

緑色のグループ:人参、玉ねぎ、たくあん、キムチ、梅干し

→野菜、きのこ、果物を買う。

黄色のグループ:米

→いも類を買う。

3つのグループ別に食材を買う②

実際に購入した食材は下記のとおりです。

赤色のグループ:鶏もも肉、豚小間切れ肉、鮭、ツナ缶、かまぼこ、ソフト豆腐、納豆、卵、牛乳

緑色のグループ:ミニトマト、ほうれん草、ニラ、小松菜、キャベツ、なす、きゅうり、水菜、もやし、えのき、しめじ、生しいたけ、いちご、りんご

黄色のグループ:じゃが芋

購入した食材を主食、主菜、副菜、汁物の4つの型に分類②

【土曜日】の献立

主食:ご飯

主菜:鮭塩焼き

副菜:納豆、ニラと卵の中華風炒め、きゅうりと塩昆布の和物、大根菜の塩ゆで

汁物:ナスとわかめのみそ汁

デザート:いちご

【日曜日】の献立

主食:ご飯

主菜:鶏肉のトマト煮

副菜:納豆、粉ふき芋、きゅうりとツナのマヨ和え

汁物:卵とほうれん草のすまし汁

デザート:りんご

【月曜日】の献立

主食・主菜:カレーライス

副菜:しらすとキャベツの和え物、水菜とミニトマトのサラダ、きゅうりとツナのマヨ和え

デザート:いちご

以上、1週間の献立紹介でした。

月〜金曜日は私が調理担当のため火曜日の買い物も私が行くのですが、土•日曜日は夫が買い物から調理までやってくれています。

結婚前は自炊する機会がなかった料理初心者の夫ですが、私と同じように「安く売られている食材をとりあえず買い、食材をもとに料理をネットで検索して作る」という方法で献立作成しているようです。

今はネットで簡単にレシピを検索できる時代のため偏りなく食材を選び取ることができれば、料理に慣れていない人でも今回紹介した献立作成の手順はそう難しいことではないでしょう。

献立作成とは体に必要な食材を料理としてバランス良く組み合わせること

頑張らない献立作成の手順について解説しました。

  1. 家に残っている食材を確認する
  2. スーパーでは食材を3色食品群に分けて順番にカゴに入れていく
  3. 購入した食材を主食、主菜、副菜、汁物の4つの型に分類する

献立作成や買い物に行く前にまず行うことは、「家にどんな食材がどのくらい残っているのか」を確認することです。家にある食材を把握した後は、3食食品群から偏りなく買う食材を選び、主食、主菜、副菜、汁物の4つの型に分類すれば献立が完成します。

余裕があれば、買い物しながら作る料理を考えても良いです。私のおすすめは買い物した日は主食ごはん、主菜惣菜、汁物具沢山みそ汁というように難しいことを考えなくてもある程度バランスの取れた献立にしてしまうことです。

翌日からの献立は買った食材から作りたい料理を考えたり、レシピ検索をしてあらかじめ決めておくと良いです。帰宅後すぐに料理することができて時間を節約できます。

私の場合は買い物後、食材を冷蔵庫などに収納した時に写真を撮っておき、職場での昼休憩中に食材の写真を見ながら献立を考え、手帳にメモすることが多いです。

献立作成とは体に必要な栄養素、食材を料理としてバランス良く組み合わせることと認識してもらうと、今回紹介した献立作成手順がしっくりくるのではないでしょうか。買い物する時点で3つのグループからバランスよく食材を選ぶことで、献立作成時に頑張らなくてもバランスの良い食事を作ることができます。

献立を考えるのが苦手、苦痛と感じるがゆえに料理したくないと感じている方にとって、少しでも献立作成のハードルが下がれば嬉しいです。

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